めっちゃ高い自転車で京都市内をうろうろしたいなあ

2005年07月26日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(終劇)

面がとれ、百鬼は人の姿に戻っていた。
蒼白の顔は雨に濡れ、生気を失っている。
かつては鋭い眼光で以て魔化魍を睨み、優しい眼差しで人々を見つめた面影は薄れ、濃い隈が眼下を縁どっていた。

呑まれたのか…。

俺は…呑まれたんだな。

やはり面を外した花紀がゆっくりと近づいてきた。
じっ…と消え逝く魂の炎を見つめていた。

だが…。
死ねる。
人として…。

そう言うと百鬼はゴフッと血を吐いた。

花紀が百鬼の傍らに立ち、言った。

手強かった…。

素晴らしい鍛えでした。

…貴方は良い鬼でしたよ…。

百鬼は微笑もうとしたが…それは叶わなかった。

雨が全てぬぐい去ってゆく。

闘いの余韻も。血糊も。
そして…魂の残り香も…。

来世でまたお会いしましょう。
パアッと雨音が答え、やがて…。
(終劇)

2005年07月25日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(12)

雷鳴が轟き、漆黒の闇を走る稲光に照らされて華○鬼右肩の般若がニタリと笑ったように見えた。
その刹那、びゅっと白い腕が門の闇から飛び出し、百鬼の右腕と左足首を掴んだ。
餓鬼のような蒼白くか細い腕のどこに剛力が宿っているのか、バキバキと掴んだ腕足を砕いていく。
笛の音と引き換えに百鬼の絶叫が響きわたった。
死肉を求め、ジッと鬼共の戦いを見つめていた鴉が破れたような翼を広げ森を飛び立つ。
華○鬼が跳躍し、飛び交う黒い塊の間を縫った。
宙でくるりと身体を捻り、銀の縦笛を踝からふくらはぎに装着する。
高く舞い飛び、鋭く尖った三角脚の蹴りが紅蓮の炎を上げ、彗星の速度となって百鬼に襲いかかった!
…音撃脚…鬼ころし!
切り裂かれた空気に導かれ、終末を告げる笛の音が鳴り響く。
どっ!と華○鬼の右足が百鬼の胸板を貫いた。
迸る血と黒い邪鬼が門の中に吸い込まれていく。
恐怖…恐怖は呑みこんだ筈だ。
いや…恐怖は勇気を以て乗り越えるものだという事を思い出した時…。
門は消え、百鬼は蹌いて木に背中を預けた。
静寂が暗闇を覆い、雨音だけが現世を支配しているようだった。

2005年07月24日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(11)

…桜の華の様に散り
…菊の華で弔われ…
…再び泥の様な現世の中で蓮の華を咲かせるがいい…

百鬼の動きがビタリと止まった。いや…止められたのだ。
動けない。この力は!
左右からゆっくり、交錯するように鬼が2体現れた…。
鎖をギリギリと凄まじい力で引いている。
一体は菊の華をあしらった帷子を、もう一体は蓮の華をあしらった帷子を身に付けている。
二脚が同時に蹴りを放ち、轟音を立てて百鬼は弾きとばされていく!

桜華の○、菊華の円、蓮華の丸の面をもつ鬼。
三面鬼…ハナマルキ!
先ほど百鬼が見せた高速分身「鬼影」とは違い、魂の分割による実体攻撃。
三体が同時に存在できるのはわずか10秒ほどだが、充分だった。
華○鬼の鎖の呪縛がジャラッという音と共に解けた。
銀笛がゆっくりと音を奏で始めた。
音撃奏…羅生門!
地獄の門が百鬼の背後で不気味な音を立てて開き始めた。

2005年07月23日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(10)

粉砕され折れ曲がった木々。
命を育む大地に開いた穴々。
そして漂う魂の焼けていく香り…。
鬼達が魂の削りあいを始めて一時…。
凄まじい蹴りや投げ、殴打の後、互いの間合いから一歩も動かない。
いや…動けないのだ。
音撃武器は最大の攻撃力を誇る反面、隙も大きい。
外せば…即敗北に繋がるのだ。
互いの切り札を出す攻防が続けられていた。
その緊張に耐えかねたのか暗雲が雨を落としはじめた。
降り頻る雨を避けるように百鬼の蒼く輝く眼がスッと流れた。
華○鬼がその一筋の線を追う。
闇の中線は二重になり、時には点に戻り、また幾重の線を引いたり、その動きには予測がつかない。
突然音撃棒がヌンチャクの先端のように華○鬼を襲った。
ドスッと鈍い音を立て、地面に突き刺さった刹那!さまざまな方向から一斉に襲いかかる百鬼!。
鬼走りにより音速の域に到達した百鬼の姿は消えたように見える。
先ほど申王を翻弄したのもこの技だ。
ヌンチャクの動きは肉眼では捕らえられない。それがこの加速と相まってたちまち華○鬼は追い詰められていく。
攻撃を加える度に現れる百鬼の姿は分身し、百鬼の名にふさわしい姿だ。
轟音をあげて迫る攻撃を避けるものの、伸びた鎖がやがて華○鬼を絡めとった。
体に何十にも巻かれた鎖は鬼の力を以てしても破れない!
左右の鎖の先端には百鬼夜行の鬼が模様された音撃棒がしっかりと握りしめられ、ボッと華○鬼を封じる鎖から鼓が現れ、不気味に回り始めた。
音撃武器…鎖太鼓!
この鼓から逃れた魔化魍はいない。
勝利の打音を響きわたらせるために華○鬼に迫る百鬼!
雨音が死を告げる鼓の音を待ちわびたかの様に激しさを増した。

2005年07月22日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(9)

花紀を中心に波紋の様に広がっていく音の輪。
百鬼は息を吸い込み、ヒュッと口から数百本の針を放った。
その刹那、花紀の足元から水柱が上がった。
百鬼の針をも飲み込んだ茜色の空に届かんばかりの蒼い柱の中で銀色の光がゆっくり大きく輝きを増し、水柱は渦を巻き、やがて轟音と共に弾け、横はらいの手刀の姿で現れたのは…。
桜模様をあしらった帷子の右肩口には般若が凄まじい形相で百鬼を睨み付けている。
腰にぶら下げられた巨大な銀の縦笛先端は鋭く尖っており、死の旋律を奏でるのを待ちわびているようだった。
そして鬼の証…二本の銀角の面が告げた。

華○鬼…見参!
百鬼は素早く腰の3枚の銀盤を引き抜くと華○鬼に向けて飛ばす!。
ルリオオカミ、ニビイロヘビ、アカネタカに姿を変えて華○鬼に襲いかかる!
華○鬼がサッと左手中指、人指し指を立て、横に払う。
たちまち銀盤に戻り、地に落ち、木にささる三色のディスクアニマル達。
返すその手で百鬼を指さすと狗と雉が飛び出し、殺気を持って向かっていく。
しかし…百鬼が青白く眼を輝かすと式針が弾け、殺気はたちまち恐怖に変わりいずこかへ飛び、走り去ってしまった。
やる!
華○鬼は感嘆した。
ディスクアニマルは高機能で比較的扱いやすい反面、術者に乗っ取られやすいという弱点も持つ。
花紀が式針を選んだのもこの為だ。
しかし、百鬼は式針をもあっさり無効化してしまった。
よほどの鍛錬がなければ出来ない芸当の筈だ。
やはり…自らの命を削りあわねばなるまい!
唸り、絶叫する百鬼に呼応するかのように闇の帳が降りはじめ、暗雲が夜空に開き始めた星の穴を埋めていった。

2005年07月21日

響系妄想☆仮面ライダー華○鬼(8)

新茶の香ばしいふくよかな味わいも白く透き通った美しい和菓子の甘さもザンキを癒すことは叶わなかった。
「ザンキさん。七味とよーじやのあぶらとりがみ一年分有り難うございました〜」
香須実がにっこり微笑む。
「ああ」
ザンキは和菓子を見つめたままだ。
勢地郎が目くばせすると香須実は、どうぞごゆっくりと言って奥に下がって行った。
…百鬼…。
静岡の名のある鬼だ。
自らは傷つき魔化魍を倒し、いったい幾多の人々を守ったことだろう。
…呑まれ鬼…
鬼の力は挫ける心にいとも簡単に侵食し支配してしまう。
だからこそ日々精神と肉体を鍛えているのだが…。
百鬼は魔化魍「ふじきつね」との戦いで傷つき、挫け…呑まれたと花紀に聞いた。
引き際を誤れば俺も…。
ぞくりと背中がざわめいた。
もう今ごろは鬼同士の凄惨な戦いが始まっているのだろうか。
店内が橙色に染まる。
ザンキは一口お茶をすすった。
生きる喜びとほろ苦さがそこにはあった。

2005年07月20日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(7)

さらさらと陽の光が木々の枝葉からこぼれ落ちて命に等しく恵みを与えている。
あの鬼の言った通りだ。
申王と呼ばれる北山一体の主はで眼を細めた。花紀から預かった式針を雉二羽と狗3匹に打ち込み、操りながら探索を続けて3日。
結界に異形の者が入り込んできたと雉から知らせを受けた。
狗を走らせ注意深く接近すると…。
それは何かを饕っているようだった。
人間?いやノ違う。もっと毒々しい匂いだ。
突然それは立ち上がり叫び吠えた。
山々が震え、命あるものはすべて恐怖した。
死の呼び込む絶望の叫び。
それが屠っていたぼろ雑巾の様に無残な姿の童子を放り出すのを見て、申王はぞくりとした。
あたり一面が真っ白になった。上も下も右も左も延々と続く白白白…。
ゆったりと流れるこの時間は…。
死の瞬間!
身を沈めてその場を飛び退く!ゴッと轟音が申王の頭上をかすめ、バキバキと木々がなぎ倒されて行く。
申王は頭を抱え、恐怖の形相で死を運んできた相手を見つめた。
血にまみれたそれは…。
鬼だった。
黄色い三本角を持ち、面は半分以上ひび割れノ妖気の光が青白く不気味に輝いている。そしてばっくりと開いた口からは先ほどまでむさぼっていた童子の肉片と血がこびりついた鋭い歯がどす黒い赤に染まり、むき出しになっている。
なんということだ…。
罠にはまったのはこちらのほうだったのだ!
ゆっくりと鬼がこちらに向かってくる。
次はもう…逃れられない。
申王は恐怖のあまり全く動くことは叶わなかった。
命をはぎ取る喜びの為か、再び響きわたる絶叫!
木々がザワリと揺れる。
鬼はブルブルと振るわせながら、自らの右手を凝視した。
五寸釘が突き刺さり飛び出して血の華を咲かせている。
夕暮れが世界を茜色に染める。燃えるような斜陽の中、影がフッと揺らめいた
「待たせたな…申王」

鬼が花紀の方を向く。
花紀はゆっくりと鬼を指さして言った。
「百鬼…!人の業に呑まれし鬼よ!ノその華をせめて人の世で散らせてやろう!」
右手を握り、般若の指輪を口元に当て、息を吹く。
乾いた…澄んだ音が死の色に染まりかけた山々に響きわたった。


響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(6)

京都の大玄関であるJR京都駅。
夜になれば向かいの白い「ろうそく」を模して建築された京都タワーが京都駅ビルのガラスに映り込み、京都を代表する新旧現代建築の見事な調和を見ることができる。
500系の流れるような優雅な線の車体がホームに滑り込んで来た。
扉が開き、どよめきと雑踏の花がザッと咲き、それぞれの場所に散っていく。
降り立った男が一歩一歩自分の場所を確かめ、踏み締める様に歩いていた。
眼光は刃のような鋭さを放ってはいるが、その奥に確かな信念と温かな心根が淡く静かに輝いている。
小脇に不似合いな紫色の包みを抱えているが、彼の物ではなさそうだ。
花紀が向こうからやってくる。
そして深々と男に対して一礼をした。
「お久しぶりです。遠路お疲れ様でした」
男は花紀に包みを渡すと口を開いた。
「まあ…ついでだからな」
そして少し微笑んで続けた。
「しかし…酒留の使いはもうカンベンだな。気がふれそうになる」
花紀は苦笑いで答えるしかなかった。
「お弟子は?」
「ああ…派手にやってるよ。それより…」
男が花紀を見据えて言った。
「…呑まれたのか?」
「ええ…3年ぶりです」
花紀の表情が曇った。
「詳しく聞こう」
「はい…ザンキさん。」
ザンキは複雑な表情で花紀の指輪を見た。
二人は花いかだの様な人の流れに乗って眩しい京の街に呑み込まれて行った。

2005年07月19日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(5)

貴船神社は京都の市街を流れる鴨川の水源地にあたり、平安時代には和泉式部も参詣したという由緒ある社である。
夏は緑に萌え、秋は朱に染まり、冬は白く覆われる。季節の美しい彩りを魅せる山間では清流が涼やかな音色を奏でており、水の神が見守るこの土地には浄化された命の源が輝き溢れている。
牛若丸伝説で知られる鞍馬へと至る京福電車の路線、貴船口駅のそばの高架にたたずむ二つの影があった。
将棋盤を挟んで対峙する一方の影は花紀であった。
駒が浮き、パチリと音を鳴らす。
「奴は手負いだ。御神水で傷を癒しに必ずここに現れる」

懐から先刻雪乃から手渡されたわさび色の包みを取り出した。「式針が5本ある。雉を飛ばし、狗を走らせてくれないだろうか?」
顎に手を掛け、すこし考えている仕草をしている相手の姿を月光が闇を溶かし浮かべた。
「なあ、申王…頼むよ」
巨大な猿が盤の前にあぐらをかいている。
ゆっくり顔を上げて花紀を見つめ、軽く2、3度頷いた。
「ありがたい…恩に着るよ」
包みを猿は受け取り一本ずつとりだし、透かしたり、両端を摘まんで曲げたりしながら質を見定めている様だった。
「それともう一つ…」
針を包みに戻しながら申王は花紀を再度見つめた。
「その駒待ったにしてくれないか?」
歯を向きニッと笑ったが首は横に振られていた。
星々が一つ二つ夜空を去り、やがて地の裾が白み始めた頃、いつの間にか、二つの影と一方的に勝負のついた将棋盤はもういずこかに消え失せていた。

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(4)

「相変わらず汚い巻き物だなあ…桔梗のバアさん」
花紀の言葉と視線をするりとかわすように紫の紐をほどき、バッと一気に花紀の前に広げて見せた。
数名の署名と血判があるが後はただの白紙にしか見えない。
桔梗に一瞥をくれたあと花紀は右手を軽く握り、白紙にかざした。
桔梗がなにやら囁くと白紙が青白い光を放ち初め、それに答えるかのようにかざした右手薬指根元がバチバチと放電を始め、輝きだした。
あたりが一瞬閃光に覆われ、やがてゆっくりと静寂を取り戻したあとそこには黒革と般若が象られた銀細工で出来た指輪がはめられていた。
「期限は?」
「10日」
花紀の問いに桔梗は色もなく答えた。
雪乃が口を開く。
「えものはどないしはります?」
「管を使う。酒留の親父には俺が連絡しておこう」
「ぎんばんはつかわはります?」
「いや…相手が相手だ。式針を使おう」
桔梗が口を挟んだ。
「ふっ…銀盤など無粋なもんを…。東の鬼は品がおまへんなあ」
雪乃が取り出した綺麗に織られたわさび色の包みを受け取りながら花紀は言った。
「ふん…人間、衰えると新しいものを受け入れがたくなるもんだ。ディスクアニマルは良く出来てるぞ」
もう用は済んだと言わんばかりに花紀は立ち上がり、歩き出した。
しかし、襖の前で立ち止まり付け加えた。
「だがな…古いもんもそれなりの良さがあるってもんだ」
桔梗の口元が少し綻んだように見えた。
スッと襖の開く音に足音が続き、遠のいていった。
相容れぬものの軋轢は人の世が生んだ業だ。
だがしかしその解刧の果ての輝きにこそ人の世の美しさがある。
桔梗は大きく息を吐くと、雪乃に目配せをした。やがて灯が落とされ、そして誰もいなくなった。

2005年07月17日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(3)

学問の社として昼間は修学旅行生で賑わう北野天満宮。
室町時代に焼失した北野天満宮再建の折、残り木で七軒の茶屋が建てられたのが、上七軒の始まりだとされている。
上七軒、祇園甲部、宮川町、祇園東、先斗町の京五花街の中でも最も歴史があるのだが、夏の上七軒歌舞練場庭のビアガーデンでは一見でも遊べる気軽さもある。
何より木屋町周辺の毒々しいネオンの瞬きとは無縁のしっとりした雰囲気は落ち着いて散策を楽しむ事が出来、所謂京都らしさを色濃く残している街なのである。
団子が象られた提灯が薄飴色に輝いており、千本格子の脇の暖簾をくぐると、舞妓が花紀を出迎える。
一階のカウンター脇の階段から二階へと続く。その最も奥のいぐさの香り漂う6畳程の部屋でその舞妓と向き合った。
「ようおこしやす〜。3年ぶりどすな〜」
「ああ、雪乃。岩手の田舎娘だったがもうすっかり舞妓が板についてるじゃないか」
「そうどすか〜。おおきに」
言葉とは裏腹に少し機嫌を損ねたのか、ついと横を向いてしまった。
「そして綺麗になったなあ」
じっと見つめる花紀に顔を背けたまま、ゆっくり瞳を向ける。
白粉でも隠しきれない薄紅色が頬をさした。
初めて会った時が15歳だから今は18歳の筈だ。
こちらを向いた少し切れ長の眼が高く整った鼻梁へ続き、紅を差した口元は控えめに微笑していた。
砂糖の結晶の様な美しさだと花紀は思った。
この花街を一歩けば蟻どもが群がってくることだろう。
北野おどりの様子を聞こうとした時、襖が開いた。
老齢の女性が優雅な立ち振る舞いで雪乃の隣にすっと座った。
美しく豊かな白銀色に輝く髪は丁寧に結い上げられており、漆黒の着物姿が凜としている。
「おししょうはん…」
雪乃の言葉を聞きながら、花紀はその女性の右手で握られ、左手を添えられた巻き物を凝視していた。

2005年07月16日

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(2)

平成12年にはJR円町駅が完成し、交通要地として賑わいを増した円町。
向かいには大型家電量販店があり、丸太町を東にいけば程なく西大路通りと交錯する。
さらに北に上がったラーメン屋に花紀 京(はなききょう)はいた。
身長190センチ近い巨躯を折り曲げるようにして当店自慢のスープが絡んだ麺を吸い上げている。
丼を両手で持ち上げスープを一滴残らず飲み干すと大きな瞳に安堵と満足げな色が浮かんだ。
最後にお冷で浸る余韻を洗い流し、伝票に手を伸ばした。
しかしあるべき場所にない。
いつの間にか人型に折り曲げられ、カウンターの上をトコトコとこちらに向かって歩いている。
伝票の殴り書きされた金額の¥マークが調度頭部になっており、歩き方と相まってかなり滑稽だ。
だが店内の誰もが麺茹でやラーメンすするのに夢中で全く気づかない。
花木の手元まで辿り着くと人型はガサッと飛び上がった後、ただの紙に戻り、ヒラヒラと舞い降りてきた。
「桔梗のばあさんめ…」
式紙を使ってこんな悪戯をするのは、あのばあさんくらいなものだ。そして…このばあさんの式紙を見るとロクなことがない。
軽く舌打ちをした後、支払いを済ませ、花木はまだ少し肌寒さが残る夜の京都へ滑りこむように消えていった。

響鬼系妄想☆仮面ライダー華○鬼(1)

雨が止んだ。
灰色の雲の切れ間から月の光が差し込み、衆生の世を照らす。木々に見下ろされながら、男が笛をゆっくりと口元に当てた。
その、もの悲しく寂しげな旋律は傍らに横たわる亡骸への餞なのだろう。
ゆっくりと滑る様に流れ、浮かんでは消えていく蛍の光と、夜空を覆い尽くす星々の瞬きの境目。
この世の境に響く笛の音だけが永遠のこの静寂に色を添えているようだった。

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