めっちゃ高い自転車で京都市内をうろうろしたいなあ

2006年08月08日

ききょうのはな

厳しく、辛い時代ではあるが子供達の眼は真夏の太陽に煌めく清流のように、神父に安らぎを与えてくれた。
芋畑に落ちた十字の影と畑を耕す子供たちの姿を見つめ、平和の世と人の世に祝福あれと祈った時、閃光がそれに応えた。

白い輝きの中、神父に向けて微笑んでいた娘の両目は凄まじい圧力に耐えきれず眼球を溢し、畑で空を見上げた少年は太陽の表面温度と同等の熱によって人の形をした炭となり、聖母が描かれたステンドグラスは粉ごなに割れ、神父の全身を貫いた。

血の涙を流し、朱に染まった地獄の中でのたうつ彼を今まで葬った「怪夷」達が笑う。
昭和20年8月9日10時58分。
人類が作り出した最も愚かな輝きはあろうことか再び炸裂し、未来までも焼いていく。

神父の心は塵となり、精神は灰となり、響わたる笑い声に呑まれて消えていった。
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